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「思い出したようだね。 儀式の後の一年で二人の心が通じ合わなければ、どちらかが石になる。 それは姫だとは限らない。 内包する力が弱い方が石になる倣い……。 魂の核が欠けたままの守弥の方が、石になる公算が高いと言うことだよ……」 「「………………」」 「さくら自身も彼方の世界で親やきょうだいの災難を引き受けているようでね、寿命をかなり削ってしまっているらしい。 本人も遠くない内に命数が尽きると言っていたから、期限は一年だなんて悠長な話じゃないかもしれないよ」 「……そんな……っ」 鬼である守弥が咲良を愛さなければ石になる。 咲良が愛さなくても守弥は石になる。 想いが通じる前に咲良の命数が尽きても、守弥は石になってしまうということだ……。 「晴れて夫婦になるかどうか……。 すべて咲良に話したとして、守弥が受け入れなければ成立はしない。 妻乞いの失敗例を話すことも、無理に押し通すのも禁じられているから、あとは二人次第……」 「「………………」」 視線を向ければ、寄り添って眠るふたりがいる。 身代わりとして嫁いできたとはいえ、相性は悪くないはず。 出来るなら、想いを通わせ添い遂げて欲しいと願わずにいられなかった。

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