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最近肩凝りが辛くなってきたばあ様にとっても、咲良は救いの神であった。 毛筆を必要とする仕事を一手に引き受け、日々の務めの下準備も迷いがない。 なくてはならない存在になりつつある。 「祝詞もさ、毎回苦労してたもんねぇ……」 「ああ。御朱印の次に苦手なあれか……」 そう。 日々の務めの中には地鎮祭等も含まれる。 毎回当日の朝まで書いていてもまともな物が出来ず、プリントアウトしたものを貼り合わせて作った祝詞を使わざるを得なかった。 それも咲良に任せることで、他の準備に専念出来る。 宮の仕事の効率がかなり上がった。 来週の地鎮祭の祝詞も、もうすぐ出来上がるようだ。 「痒いところに手が届くって、こういうことを言うんだな」 「そうだねえ……」 守弥は気付いていないが、時雨にはわかる。 魂魄の核が欠けていて術が不安定だった守弥の波動が、少しずつ安定してきていることを。 それは、咲良の痣に変化があった時に顕著にあらわれる。 タイムラプスを確認していて気付いたのだ。 黒い桜の痣がひっそりとひとつ消えていることがあり、その時には大抵守弥にも良い変化があるのだと。

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