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奥向きに足を踏み入れた護矢比古に、里の男たちは驚いた。 「………!?」 「お前、どうやってここに!?」 「どうだっていいだろう! 俺には俺のやることがある!」 「ぐは!」 「っぐ…っ」 振り回す得物を避け、確実に一人一人を仕留めていく。 「傷は浅い。 少し寝てもらうだけだ」 『甘イナ。イッソ完全ニ…』 「言うな」 『………仕方ナイ』 気絶した男達を簀巻きにして転がす。 棒は折り、剣は曲げて使い物にならないようにしてから隠した。 ここへくる前にも、武器庫に忍び入って弓の弦を切り、武器の殆どを使えなくしてはある。 だが、すべてではない。 「あとどれだけ残ってるか…」 「それほど残ってはいませんよ」 「………っ!」 振り返った其処に、社の長がいた。 「あんたも邪魔をするなら…」 「私はここを束ねてはいますが、完全にあちらの言うことを聞いているわけではありません」 「………」 「貴方自身が分かっているのでしょう? 残された時間は決して長くはないのだと。 ついて来なさい」 「………」 油断してはいけない。 もしものために用心をしながら、護矢比古は長の後ろを追った。

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