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「守弥と時雨の扱いが違うのは不思議だねぇ。
どんなふうに甘やかしたいんだい?
ばばに教えておくれ」
「………………どんなふうに…………」
小首を傾げ、暫し思案する。
「…………う……、うぅ……」
自分の手と時雨を見比べ、守弥の腕から抜け出して立つ。
頭の中のイメージとサイズが合わず、どう表現したものかと更に思案する。
「咲良、どうしたんだい?」
「わたくしの身長が低すぎて、頭の中の感じと時雨さまの身長が合わぬのです。
どうしたら良いのか……」
「何か代用出来るものがあればねぇ……」
「……あ、……ございました」
視線を巡らせた先。
ちょうどよいものを見つけて、咲良がとてとて歩いていった。
「………………え、俺ってそのサイズにされちゃう訳?」
「あ、あの、……一番近い感じがこれなのです」
「………………随分小さいな」
「おもしろいねぇ……」
咲良が持ってきたのは、クマの縫いぐるみだった。
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