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「………………いつもはこんなではありませぬのに………」 「いつかは飽きるから放っておけばいいよ。 そろそろお腹が空いてきてない? 何か食べよっか」 「…………」 差し出されたメニューを見るが、味がどうかが見当がつかない。 辛うじて和食に近いメニューに目を通しても、食べきれるかどうかが分からない。 「…………有りすぎて、何を選べば良いのか分かりませぬ……」 「じゃ、皆で摘まめる物にしよっか。 ジャガイモは大丈夫?」 「はい」 「鶏肉は?んーと……、食べられない肉はある?」 「特には……、ふああっ?」 左脇腹のところから守弥の腕がガッと伸び、特製パンケーキとウーロン茶を指差した。 「はいはい。パンケーキとウーロン茶ね。 兄ちゃんは?ああ、はい。いつものアレね」 手元にあるタブレットに次々打ち込む。 「咲良ちゃんは飲み物どうする?」 「あ、あの……、温かいお茶を……」 「お茶ね、紅茶でもいいかな」 「はい」 「おけ~。 で、俺は、いつものアレと、コレと、コレね」 手早く打ち込み、送信する。 「コレで大丈夫っ、と。 ………………心配しなくてもいいよ。食べ物が来れば終わるからね」 時折心配げに守弥を見上げる咲良に、鷲志はウインクする。 「ひゃっ」 その瞬間、左脇腹から伸びたままの守弥の腕がガッツリと咲良をホールドした。 「珍しいなぁ……、こんな番犬みたいなの初めて見る」 「やっぱロリなんじゃ……、痛ぇっ!」 「…………?」 テーブルの下で志朗の脛を守弥が力いっぱいで蹴り、見えない角度で鷲志の肘鉄が志朗の脇腹にめり込む。 状況が読めない咲良は、何故志朗が悶絶してるのかが分からずに首を傾げた。 「ふっ、ふごおおお……っ」 「兄ちゃんは一言多いんだよ」 「一言で済むか」 「うっせ、このムッツリスケ」 ごすっ! 「ふっ、ごおおお……」 再び鷲志の肘鉄と守弥の蹴りが炸裂した。 

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