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「あの……、どうして悶絶されてるのですか?」
「兄ちゃんが悶絶?気のせいだよ~。気のせい気のせい」
「ああ。全く問題は無いな」
「そりゃねぇだ……」
「しっつれ~しま~す!
ご注文の品、お持ちいたしましたぁ!」
志朗が言い切る前に、店員がワゴンを押しながら個室に入ってきた。
「はいっ、爆裂うまうま鶏と雑穀ごはんのセットと、超絶うまうまカツ煮定食と、特製パンケーキ、カリうまポテトと唐揚げセット、紅茶、ウーロン茶、ドリンクバー二点ですね!
追加の際は、タブレットでお願いしまっす!」
手早く配膳して、店員が退室していく。
一気にテーブルの上が賑やかになった。
定食についてきたサラダやフルーツは、鷲志がさりげなく咲良の近くに置く。
「取り分け皿もあるからさ、欲しいのあったら言いなよ。
こっちの焼いた鶏も分けっこできるからさ」
「はっ、はい……」
どれから手をつけようか迷っていると、守弥がパンケーキにナイフを入れてシロップを掛ける。
「咲良」
「はっ、はい」
守弥が差し出したパンケーキは咲良の口に合わせた大きさだった。
「………………」
「大丈夫だ。一口食べてみろ」
「いただきます……っ」
ぱくん。
もぐもぐもぐもぐ……こくん。
「………………っ、お、美味しいです……っ!」
フワフワのパンケーキに、芳醇なバターとシロップの香りと甘さが口の中に広がる。
とにかく美味しい。
「こっちはホイップクリームだから、フルーツと一緒だな。ほら」
「はっ、はい」
ぱくん。
もぐもぐもぐ……こくん。
「どうだ?」
「とっても美味しゅうございます」
「そうか。よかったな」
確かにパンケーキは美味しい。
美味しいのだが……。
何故だろう……、咲良は顔が熱くて仕方がないのだ。
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