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「………これで、よしっ、と………。 塗り薬と鎮痛剤を受け取られたら、今日はお帰りになって大丈夫ですよ」 「本当に?本当に、大丈夫なのですね?」 「大丈夫。 範囲も狭いし、歩けるから問題ないよ。 って、言われても、目の前で火傷されちゃったもんねぇ……。 直ぐには安心とは言えないよね? てなワケで、もう無茶はしちゃダメだよ、お兄さん?」 「あ、はい……」 咄嗟のこととはいえ、思わぬ事態を引き起こした守弥だ。 素直に頷くしかない。 「ただ、痛みや引きつれが酷いときは、診療時間外でも構わないからいつでも来てくださいねぇ」 「はい。ありがとうございます。 咲良、兄さんは大丈夫だから、ね?」 「は、はい……」 時雨に促され、咲良も処置室の外へと足を向ける。 大丈夫だと言われても、本当にそうなのか。 手には力が入らないし、足元もフワフワしたままだ。 長椅子に座り、視線をさまよわせる。 ここがどういった規模の病院なのか、本当に大丈夫なのか判断する材料が今の自分にはない。 外を知らず、判断する基準を持たないことに、半ば苛立ちを覚えて……。 「咲良、飲み物でも買いにいこうか。 ……………………咲良?」 「……………………………………っ?」 時雨から声を掛けられた事にも気づかないほどに。

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