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「取り敢えず、今日は色々あって頭の中がグルグルしちゃってるかもしれないけど、身代わりだってことはちょっとだけ横に置いてみない?」
「でも……」
横に置くのはむずかしい。
ならば。
「そうだねぇ……。
火傷をしちゃったことが気になるなるんだよね?」
「はい」
「火傷ってさ、ヒリヒリ痛くてしみるよね」
「はい……」
「痛いってことはさ、利き手が使えなくて兄さんが困る訳で。
そういうときにサポートするとか。
そっちを考えてみようよ」
「さぽーと……?」
「そ。サポート。お手伝いってこと」
「お手伝い、ですね?」
「うんうん。
ほら、右手が使えなくて困ってる時に手伝うとか、包帯巻き直しできなくて困ってるときとか。
兄さんが破壊的に左手が使えないの、何となくわかるよね?」
「…………っ、は、はいっ!
わたくし、お手伝いいたしまする!」
『よっしゃ!
今日の俺、結構グッジョブじゃない?』
目を輝かせる咲良を促し、守弥のいる場所に戻る。
そう。少しだけ、方向を変えてやればよいのだ……。
如何に意識をさせずに寄り添わせるか。
ついでに、その無垢さで守弥を陥落させてやろう。
焦らず、慎重に。
時雨は、次のプランを練り始めていた。
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