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◆◇◆◇◆ ごぉんっ! 「申し訳ありませぬ!」 居間に着くなり、咲良は三つ指をついて頭を下げた。 結構な音だったため、守弥の両親もきょうだいも一瞬硬直する。 「そんな、顔をあげてちょうだい。 咲良ちゃんのせいではないのだもの」 「そうだよ。志朗が禁煙ルームで煙草に火をつけたのが悪いんだし」 「うさこは悪くないっ」 「えうう……」 眉間の当たりがキナ臭い感じがしている状態で引き起こされて、視界が安定しない。 「だってさ、うさこは兄ちゃんの手当ても頑張ったんだよ? 自分のせいとか思っちゃダメ!」 「そうだよ、咲良は悪くない!」 「ひゃっ」 次々ギュウギュウされ、何がなんだか分からない。 ぺとっ。 「ひゃうぅっ!」 「はい、そのくらいにしとこうか~」 額に冷たい感触がしたあと、抱きつく子供らの間から引っこ抜かれた。 肩に咲良を担いだまま、時雨はきょうだい達を蹴散らして歩きながら、然り気無くばあ様に目配せをする。 「はい、退いた退いた~」 「あっ、時雨兄ちゃんずるい!オレも抱っこしたいのに!」 「あたしもまだ抱っこしてないわよ!」 「いいから、いいから。 兄さん、胡座じゃなくて真っ直ぐのばして」 「…………?」 「伸ばさないと話になんないんだよね。 …………はい、どうぞ」 守弥の膝の上に咲良を乗せ、時雨は台所へ行ってしまった。

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