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注目を浴びながら、なんとも落ち着かない状況の中、咲良は守弥にプリンを差し出し続けた。 少し困惑しながらも一生懸命プリンを差し出す咲良と、いつもの表情とは違う守弥の動画をきっちり撮りきった時雨とばあ様。 文字通り激写しまくったデータを保護ファイルに指定し、満足げな顔をしている。 「永久保存版にしておかないとねぇ。 時雨、だびんぐも忘れてはいけないよ?」 「勿論だよ。保存用のデータと予備に、ヘビロテ版も忘れないよ~」 「わたくしがプリンをお出しするのは、さして珍しいものではないと思うのですが……」 「いやいや、なかなか可愛らしい様子だったからねぇ。 久々の激写だったよ。ふっふっふ……」 「………………おばあ様が喜んでくださるなら何よりですが、時雨さままで撮る必要は無かったのでは……?」 「いやいやいや、こんな鼻血モノの動画はなかなか無いよ! ほぼ兄さんの目線に近いトコで撮ったから、食べさせて貰ってる感が凄いよ。 初々しい幼な妻の妄想とか、イケナイ事してる感が堪らないなぁ……」 「………………?」 時雨の言葉の意味が分からないが……何か良からぬ内容な気がして、守弥を見上げる。 「如何わしい内容ではないと思うが、良からぬ事に使わないようにさせる。安心しろ」 「はいっ、……ひゃっ!」 横合いから伸びてきたきょうだい達の腕が、咲良を捕らえた。 「うさこ!抱っこぉ!」 「わたしもギュウッてするの!」 「待て待て、オレも!」 「ねえねえ、守弥兄ちゃんとどこにいってたの?」 「どこどこ?どこに行ってた?」 「明日は?行くとこあるの?」 「明日は一緒に遊ぼう!」 「はわわ……っ」 四方八方からハグハグされ、どれが誰の腕かもわからないほどだ。 「明日は先約がある。 図書館と本屋の梯子だ」 「ひゃっ!」 子供らの輪の中から引っこ抜き、守弥が左肩に咲良を担いだ。

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