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風呂上がりに年少組四人(守弥の弟二人と妹二人)に捕まり、座敷に連れてこられた咲良。
初めての布団蒸しや枕投げに驚きを隠せなかったが、思いきって遊びに混じった。
付喪神や式神とじゃれて遊んではいたけれど、それよりももっと激しい。
たが。
無心で遊ぶ楽しさを覚えたのは初めてで。
心地よい疲れを覚えて眠りに落ちた筈だった………………のだが……。
『………………どうしましょう……』
ほんの少し寝入っただけで、目が覚めてしまった。
五人で団子のようにくっついているから、迂闊に寝返りを打つのも憚られる。
子供特有の温かさは良いのだが、何かが足りない。
『………………音……、それから……』
足りない物を数えていく。
前髪にかかる吐息。
右耳を当てて聴く鼓動。
引き締まった胸筋。
香水とは違う安心する香り。
腕が乗る時の重さ……。
『うぅ……。
守弥さまが足りませぬ……。
でも……、もう眠ってしまわれたかも……』
水族館で買って貰ったヌイグルミをギュウッとするが、やはり守弥とは違う。
『どういたしましょう……』
このままでは眠れそうにない。
『守弥さまのお部屋の前まで行ってみよう……。
お返事がなければ、ここに戻れば良いのだもの……』
そうっと布団から抜け出し、咲良は廊下へと足を進めた。
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