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暫くして、守弥の方が先に目覚めた。 真っ先に口から出たのは、咲良に関する言葉だった。 「安心をし。 術の痕跡は薄いし、一過性のものだと思うよ」 「本当に、一過性のものなんだな? 災厄の流れが確定してる訳ではなく……?」 「大丈夫。 ばばがちゃあんと見たからねぇ」 「そうか……」 見極めの術でばあ様の右に出るものはいない。 ホッと息をつくと、全身の力も抜けた。 「火傷を肩代わりした影響は痣だけ。 背が伸びたのは、さくら本人が強く望んだからのようだよ」 「一晩で20センチ以上も伸びるくらいに……」 「そうだねぇ。 出掛けている間のことはばばには分からないけど、さくらにとって心を大きく動かすことがいっぱいあったんだろうね……。 成長しなくては、年相応でなければ、凛々しくあらねば……と強く望んでいたみたいだから」 「何故……、そう思ったんだ……」 「さくらがそう願う理由は一つしかないよ」 「………………?」 「守弥……おまえの為だけに、さくらは成長を望んだとしか言えないねぇ……」 「………………」 自分の為に年相応であらねばと、咲良が強く望んだ……。 そう聞かされて、心臓がドクリと跳ねた。

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