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初心者でも作れるレシピ本を数冊買い、守弥は二人を連れて家電量販店へ足を向けた。 「レンジはあるが、オーブンも必要だろう?」 「守弥、ぐっじょぶだよ。 そろそろ最新の炊飯器にしたいけど、咲良が竈(かまど)で炊いてくれるご飯は極上の味わいだからねぇ……」 ごっきゅん。 ばあ様と守弥の喉が鳴る。 蒸らして蓋を開けると、つやっつやで一粒一粒が立ち、固さも丁度良く、甘さと香りが鼻に抜けて、おかずがなくても何杯もいける……。 ……ごっきゅん。 「わたくしは、守弥さまが焼かれるお魚と、おばあ様が作られる煮しめが……」 軽く想像しただけで溜め息が零れる。 「飾り塩がされた尾頭付きの……。 ヒレがカリカリと香ばしくて、身もホコホコと……。 甘じょっぱいお出汁がしみたお芋……油揚げと椎茸……。はうぅ……っ」 「大きな一粒栗が入った茶碗蒸し……。 あのぷりっとした海老と鶏肉の極上の味わい……。 やばいぞ、ばあ様……」 「ばけつぷりんの上品な甘さ……。 食べても食べても飽きのこない奇跡の味……」 ごっきゅん。 オーブンを前にして、三人はうっとりとなった。

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