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「………………これもいいかもしれない」
最初に買おうと決めていたオーブンとハンドミキサー、そしてホームベーカリーを選び、守弥は無水調理鍋も検分していた。
「守弥さま、わたくしは竈(かまど)があれば大丈夫でございます。
焼き菓子なら、先程お選びになったおーぶんもございますし……」
「そうか?」
「はい。おばあ様から譲っていただいた竈と蒸籠と蒸かし鍋もありますし、先ずはそちらに馴れとうございます」
「…………そうか。
だが、こちらの道具に慣れて、もう少し道具が欲しくなったら言うんだぞ?」
「はいっ」
あれこれ買おうとして咲良に嗜められる守弥というのが珍しい。
咲良の物欲も薄いが、守弥も元々は物欲が薄い。
昨日番犬じみた行動を取ったのも、今日の守弥の様子もあまり見たことがない。
そんな二人のやり取りが面白くて、ばあ様は敢えて口を挟まずに観察している。
そんなばあ様も、咲良が使ったら面白いだろうなと、カメラや大きめのタブレット端末を然り気無くチェックしているのは内緒だ。
目的の家電を購入し、本宮への配達を申し込む。
大抵目分量で料理をしていると聞き、担当の店員が計量キットをサービスで詰めてくれた。
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