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「昨日のアレを入れとくといい」
診察や買い物を済ませて外宮に着いた車内で守弥が手渡したのは、綺麗な包装がされた二つの箱。
夕食と入浴を済ませた咲良は、守弥の部屋でドキドキしながらリボンをほどく。
「まあぁ……っ」
箱に入っていたのは、可愛らしい形のガラス瓶だった。
小さい方には桜貝を、大きめの瓶にはビーチグラスを入れてみる。
「ふふ……」
蛍光灯の明かりに透かすと、淡く光って美しい。
特定のものを入れる為に守弥が選んでくれたと思うと、ついつい頬が緩む。
嬉しくて仕方なくて。
でも……。
「咲耶の大事な方ですのに……」
申し訳なくて、胸が痛む。
一緒にアイスクリームを食べた。
海で桜貝とビーチグラスを探した。
それから……。
膝の上に座り、ぷりんを食べて貰った。
目が覚めたら守弥の腕の中にいた。
特別なガラス瓶を……。
「は、はわわわわ……っ」
昨日と今日の出来事を今更ながらに思いだし、気恥ずかしさに全身が熱くなる。
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