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キ……シ………… …………キシ…………キシ…… …………………………キ……シ………… 「………………」 軋る音が緩やかになってきた。 それでも守弥は辛抱強く待ち続ける。 夜も遅いこともあり、弟妹たちはばあ様の部屋で寝かせたが、時雨とばあ様は咲良の様子を固唾を飲んで見守っていた。 『線は細いけど病的な細さではないねぇ、ばあ様』 『年相応の背丈になってきてる……。 でも、ゴツゴツした感じは出てないねぇ……』 咲良の意識がこちらに向かないよう、ひっそり口にする。 『ジェンダーレスって言うか、体格的には兄さんの腕にスッポリ収まるジャストなサイズ……』 『今までは、自分は代理の姫だって言ってたけど、なにか心境の変化があったのかもしれないねぇ……』 『ばあ様、それって……』 『………………対としてこうありたいっていうものが固まったのか、向こうの世界の咲耶への気持ちが変わったのか……。 そこは後でさくらに聞かなきゃ解らないけど、守弥に相応しいと思って貰えるように、変化を望んだんだと思うよ』 『兄さんに……?』 『守弥がさくらに対して番犬っぷりを披露したように、さくらも守弥に対して独占欲を持ち始めたのかもねぇ……』 『………………』 同年代の子供との関わりが薄かった咲良にとって、誰かを恋慕う感覚は戸惑いもあったのだろう。 守弥の縁談を潰してしまった負い目もある。 そして、守弥に対して独占欲を持ったことで、咲耶への罪悪感が強まったのでは……と、ばあ様は見ているのだ。

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