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チュ、チュ…。 控えめなリップ音が耳を打つ。 そっと重ね、甘く啄む。 はふ…、と漏れた息までが甘くて、守弥は咲良の後頭部に指を這わせた。 「ん、…んうぅ…っ」 華奢な体がビクリと震え、触れていた唇が微かにわななく。 つ…。 「んっ、……んっ」 つつ…。 「ん……ぅ、っん、ぅぅ…」 鼻に抜ける声に甘さが乗る。 「ん…ゃ…」 「ん?」 「んん…」 宥めるように下唇をハミハミすると、咲良も応えるように啄み返す。 意識が守弥にだけ向いたところで、もう一度後頭部を指でなぞる。 「んゃ、……っ、……んんぅ」 弱い部分に触れる指。 サワサワとなぞられて、背中や腰がゾワゾワする。 唇もなんとなく痺れているような気がする。 「んぅ…」 今は守弥に沢山口づけていたい。 なのに。 じわじわと花芯に熱が籠り始めている。 『うう…。 もっと守弥さまに口づけたいのに…。 はしたないと思われてしまいまする…』 堪え性が無いと思われないか。 そう思い、咲良は腰を浮かせようとする。 「こら、隠すな」 「ひあ!」 咲良をがっちり捕まえたまま、守弥が体勢を入れ変えた。

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