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それは、馴染んだ重さだった。
「……隠さなくてもいい」
「え、う…、ん…っ」
覆い被さられて、唇を奪われる。
鼻腔に守弥の香りが満ちて、頭の芯が痺れる。
「んぅ…」
深く重ね、舌が滑り込む。
それだけで咲良は体中の力が抜けていくような気がした。
「んぅ、……ぅ…、っん…」
湯殿で落とされたものよりももっと深くて甘い口づけに、頭がクラクラする。
今になって逆上せてしまったように。
下腹に熱が集まっているのを知られたら、きっと守弥は呆れてしまう。
悟られないように腰を引かなければ…。
そう思ったところで、腿に押し付けられた硬い存在に気づいた。
「………?」
「熱が籠ってるのは、お前だけじゃない」
「……っ」
「多分、堪えが利かないのは俺の方だ」
「……っ、ぇ…ぁ………」
硬くて、大きい、熱…。
「最後まではしない。
でも」
「……………」
「べったべたに甘やかすくらいは、………な?」
「ぅ………」
チュ。
やわやわと啄まれる唇。
擽るように触れた舌に促されるまま軽く唇を開くと、熱を帯びた舌が滑り込んできた。
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