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お互いの吐息が混じりあうような口づけ。
甘くて、熱い。
脳髄が焼かれてしまうくらいに。
「ん、んぅ…、っふ…」
「んん…」
守弥の舌先が上顎をかすめ、背中を走る稲妻に華奢な体がビクリと跳ねた。
「ん…、んんっ、っ、ふ…ぅ」
守弥がくれる深い口づけは、いつも咲良を狂わせる。
腰から背中へ痺れが駆けあがり、脳髄を蕩けさせる。
どれだけ足の爪先に力を入れてやり過ごそうとしても、膝がカクカクするし、花芯に熱がこもり、胸の飾りにも芯を通らせていく。
「ぅ…、っふ…、…ぁ…、っん、んぅ…」
引いていく舌を追って差し出す格好になった舌。
守弥がやわやわと吸い上げて、軽く噛む。
「ぁ…ッ、……んゃ…っ、…ぅ…っぅ…」
突き抜ける痺れに、華奢な体が仰け反り気味になる。
守弥がしてくれる口づけは、どうしてこんなに甘いのだろう…。
触れられて。
やわやわと吸われて。
甘くて、愛しくて、…気持ちいい…。
「ん…ふあ、ぁ……あ…っ」
落とされる口づけが唇から首筋へと移り、袷(あわせ)が緩められて鎖骨の辺りを軽く吸われた。
「あっ、…ぅ…」
触れられた場所で燠火のような熱が生まれて、じわじわと体内で増幅していく。
石になる前もこうして肌を啄まれていた筈なのに、与えられる快楽は桁違いのものだとさえ感じる。
「恥…ずかしゅう…ございまする…」
「気にするな。変なのは俺もだ」
「う…」
咲良の肌を啄みながら守弥がクスクスと笑う。
その呼気が肌に触れて、華奢な体がひくんと跳ねた。
『反則でございまする…。こんな…っ、凛々しくて、なのに蕩けそうな笑みをされるなんて…っ』
全身の血脈が逆流してしまっているようで、咲良は守弥の頭をかき抱いた。
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