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「お前が恋慕うように、守弥も愛してくれているのではないのか?」
「………………わかりませぬ……」
「はい?」
「わたくしを大事にして下さっているのは分かるのです。
行方をくらませようとしたら、大層お怒りになりましたし……。
でも、それは、………………幼い弟や妹のような捉え方をなさってるのではないかと思うのです」
「………………」
咲良の一言に、鬼は天を仰いだ。
「お前は守弥を恋慕っていて、守弥はお前を弟妹扱い……?
そう思う訳は何だろうな」
「…………訳でございますか……?」
「ああ。
俺から見れば、守弥はもう少し違う捉え方をしているのではと思うのだ」
キョトンとする咲良に、鬼は笑ってみせる。
「理由………………。
わたくしは………………わたくしは美しくありませぬ」
「…………はい?
いや、ふむ、続けてくれ」
「あ、はい。
守弥さまは、とても凛々しくて……同じ男子として理想の方でございます。
弟の時雨さまや姉上さま……下のごきょうだいの皆さまも、目鼻立ちが整っておられまする。
それに比べて、わたくしは醜うございます」
「………………醜いか?」
「両親が目を背ける位でございました。
この色合い……黒い痣……。不吉なものばかり……」
俯く咲良。
鬼は顎に手を当て、暫し思案する。
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