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「は、はわ……っ、…………っ」 「………………?」 ぱふんっ! 慌ててタオルケットの端をひったくり、咲良は再びくるまってしまった。 「………………」 真っ赤に上気した顔、乱れた呼吸。 守弥には何処か心当たりがあった。 いや、まさか。 「………………っ?」 そのまさか、か? 隙間に手を引っかけ、一気にタオルケットを剥ぐ。 「咲良?」 「ひああああ!」 半泣きで顔を隠そうとするのを引き起こし、膝の上で横抱きにする。 「降ろして下さいませ! わたくしを見ないでくださりませ……っ」 「何故だ? 俺はお前の対だろう」 「いけませぬ。 今のわたくしをご覧になれば、きっと呆れておしまいになる……っ。 お願いにございます。お手を緩めてくださいませ」 「駄目だ」 「……っ、…………っ」 服地を通して伝わる体温が、咲良の体温を更に熱くし。 気遣うように手が頬に触れるだけで、体の芯を疼かせる。 「咲良」 「いけませぬ……、きっと呆れて嫌いになりまする……っ、お離しくださいませ……っ」 「これからする事で、俺の方が幻滅される方が早いかも知れないのにか?」 「わたくしが幻滅など……いたしませぬ……、んぅ……っ」 熱さと甘さがない交ぜになった吐息ごと、咲良の唇を守弥は奪った。

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