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紐が解かれて白磁の肌が露になった。
「…っ、ぁ…っ」
ほんの少し肌が粟立ったのをなだめるように、心臓の真上に口づけが落とされる。
「大丈夫だ。力を抜け」
「は…ぃ…」
肌に当たる守弥の手や指、吐息や髪までが咲良を煽っていて、全身が強張っているのか弛緩しているのかすら曖昧になってきている。
『可愛すぎるだろ…』
必死で堪えようと寄せた眉根。
潤んだ瞳、ふっくりとした唇に上気した白磁の肌。
芯が通った胸の粒…。
どれもが守弥を魅了してやまない。
いっそ、今すぐ体を繋いでしまいたいくらいに。
「大事にする」
「はい…、…っ」
「痛くもしない」
「…はい…っ」
「俺だけの咲良になる準備、だからな。
いつもとそんなには変わらない、からな」
「は…、い…」
咲良を安堵させると同時に、自分に言い聞かせる。
婚儀までの準備をするのだと。
腰のラインに触れていた手が熱を凝らせた花芯に移り、唇も触れる位置が下がり始めた。
脇腹や足の付け根へと…。
膝への口づけの後に楔と花芯を重ねて熱を分け合う。
いつもと同じ行程だと咲良は思っていた。
だから、片膝を立てて口づけを待った。
チュ。
チュ。
「…っ、………ぇ…?」
いつもは膝に落とされて終わりだったが。
内腿へと口づけが移っていた。
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