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情が通った口づけは、不思議なくらいに飽きない。 浅く、深く。 長く、短く。 かすめ、突いて。 絡めて、引き出す……。 守弥の口づけは、咲良の中の熱と情を絡めて煽り立てる。 「んふ……っ、……ぅ」 どうすればいいのか分からないけれど、守弥に喜んでもらいたい。 拙いながらも舌を絡め、されることを真似てやわやわと噛んで吸う。 その反応に、守弥が目を細める。 否定ではなく、是だと……。 「…………ゃ……さま……、ん、んんっ、……き、……すき……」 「おれ……もだ…、…っふ、……っさく……ら」 足りない。 角度の深い口づけだけではもう、足りはしない。 「…………ぁ……っ、んうぅ」 バタつかせた足の間に守弥の片膝が入り、内腿に触れただけで声が更に上擦る。 恥ずかしいくらいに甘い声。 帯を解いて床に放ると、自然に袷がひらいて白磁の肌が露になる。 「咲良」 「んっ、んん……」 「迎え肘をするから、腕を抜け」 「……は……ぃ」 両腕を抜き、生まれたままの姿になる。 波を刻むシーツの上に広がる浴衣の花々。 その花よりも紺地に映える咲良の肌。 一糸も纏わない姿に、無意識に喉が鳴った。

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