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カーテンの隙間から薄く差し込む光で守弥は目を覚ました。
「……っは…」
一瞬、昨日の出来事が全て夢だったような気がして、慌てて毛布をめくる。
其処にある白銀の流れと規則的な呼吸に胸を撫で下ろし、漸く深く深く息をつく。
『良かった…。夢じゃない…』
石化前と同じように咲良は守弥に張り付いて眠っている。
変わらず少しあどけない寝顔。
左の耳殻にうっすら残る痕。
『……』
石化して体から魂魄が弾き飛ばされた後、どうしていたのかと湯殿で守弥に問われて途端に目を泳がせた咲良。
霊力をほぼ全て使い果たしてしまい、ばあ様が構築していた結界から抜け出すことも叶わず途方に暮れた。
石になった自分に嘆く皆を放っておけず、さりとて何かを出来る訳でもなくて。
そうっと守弥の傍らにいたが、誰にも姿が見えていない事に気づいて…。
「それからは、…、その………」
「……ん?」
「………ここに…守弥さまがいらっしゃる間は……」
「……」
「その……」
「ん?」
「ずっと…………お傍に……おりました…」
消え入るように小さな声で言われて。
ああ、やっぱりそうだったのか。
時折咲良の気配がしていたのは、やはり気のせいでは無かったのだと守弥は納得したのだった。
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