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「わたくしも…咲耶が幼い頃の動画が見とうございまする」 ポツリと咲良が呟いた。 「「咲良…?」」 「とりかへの儀の前の咲耶が見てみとうございまする。 それに、弟や妹達のも……。 ……………お許し…いただけるのならですが…。 直ぐではなくとも………その…」 段々ぺっしょりと耳を下に垂らした兎のように俯く咲良。 割りと物事に受動的なことが多く、こうして自発的に発言するのも良い変化なのだと守弥は感じた。 「ずっと離れてたしな…。 見てみたいと思うのは、ごく普通のことだと俺は思う。 ばあ様、どうだろう?」 「………そうだねぇ。 お姉ちゃんを送り届けるついでに見せて貰うのもアリかねぇ…」 「おばあ様…?」 「これからどうするかは追々相談していくことになるけど、実家が何処にあるかはちゃんと把握しとかないとねぇ。 それも含めて守弥と時雨が後ろからついて行けばいいと思うよ。 どうかねえ」 「そ、それはもう」 「大歓迎ですわ!」 ばあ様の問いかけに両親も快諾した。

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