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咲良が上着を取りに行っている間に、守弥はドライバーから聞いた春日の家と隠し宮の場所をSUVのカーナビに入力する。
時雨も、春日の家の車のカーナビに本宮と外宮の場所を入力をした。
「本っ当にあの隠し宮は地図上は山二つ向こうなだけなんだ…」
「盲点だったな…。
というより、あの宮司の描いた地図…」
「とんでもない回り道だよね…」
「「………黙っておこう…」」
そうなのだ。
カーナビで入力すれば最短の道を表示してくれる。
それと宮司の地図を見比べれば、最も遠回りとも言えるルートが描かれているのだ。
「あの人なら、おや、違ってましたか?ほんの些細な勘違いですよとか、しれっと言いそうだねぇ…」
「確かに…」
ドライバーと春日の両親はうっすら気づいているかもしれないが、一応咲耶には黙っておこうと二人は決めた。
ばあ様もうんうんと頷いている。
微妙な雰囲気の中、咲良が戻って来た。
「お待たせいたしました。
守弥さま、お財布とスマホです」
「ああ、ありがとう」
自転車に障らない場所にバスケットを崩れないように積み込み、準備は完了した。
「本当にご迷惑とお手間をおかけしてしまって…」
「大丈夫。
咲良のご両親に会えて、ばばはとても嬉しかったよ。
時間が出来たらばばもそちらへお邪魔したいし、いつでも会いたいときに往来できるように連絡を取り合えればいいよ」
「はい…っ」
ばあ様と神職達に見送られ、2台の車は本宮を後にした。
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