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……数時間後。
沢山の食材や反物を車に積み込んで、時雨とばあ様が戻ってきた。
「おかえりなさいませ」
「たっだいま~、さぁくらっ!」
「ひあああ!」
玄関で出迎えた咲良を、時雨がギュウギュウ抱き締める。
「ねえねえ、昨日は兄さんとラブラブ出来た?
出来たよねっ!」
「ほえ!?」
「今日の咲良、すんごいエロいよ!
色っぽくてさ、唇もぷっくりしててエロさ駄々漏れ!
………………あれれ?」
くんくん。
時雨が咲良の首筋を嗅ぐ。
「…………あれ?
ちょっと待って。
ちょ、ちょっとちょっと、え、嘘!?」
くんくん。くんくん。
何度嗅いでも同じだ。
「………………甘い香り、無くなってる……」
「ほえ?」
「ふむふむ。
興味深いねぇ」
困惑する時雨の後ろから、ばあ様が覗きこんだ。
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