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「紛れ込んだ核を包んでいた封印自体が神気を纏うほどに、咲良の霊力の内包量もかなりのものでした。 でも、咲良の魂はかなり疲弊していたんです」 「疲弊…?」 「常に神仏の傍にあり続けたとはいえ、身の内に呪いを抱え続けているのは普通の状況ではない。 咲良として生まれて来た段階で、魂は限界まですり減っていたのだそうです。 にも関わらず、家族に降りかかる災難を引き受けている内に、無意識にその流れが強くなって行っていた…」 拳が白くなるほどに強く握り、咲耶が絞るように呟く。 「……あたしが…やめろって何度も言ったのに、咲良はやめなかった…。 もういい、もう災難を引き受けるのはやめろって…」 「うん。 咲良もお姉ちゃんに止められたって前に言ってたよ。 やめなかったんじゃなくて、止めることが出来なくなっていた…って事みたいだね」 「「………っ」」 災難の引き受けは無意識にしていたこと。 本人が止められないまま魂が完全にすり減ってしまえば、内包する呪いは暴走を始めて咲良を飲み込む。 高まった霊力も利用して更に暴走し、転生した護矢比古へと襲いかかり、災禍を振り撒く存在になっていっただろう。 「隠し宮で首飾りをかけていたのも名目は呪詛封じでしたが、実際は強くなる一方の災難の流れを少しでも遅くする為であったとも…」 「………っ」 「身代わりの贄として嫁ぐ前に、宮司さんが首飾りを使って流れを断ち切ったと聞いています」 「もう、大丈夫なんですね?」 「すり減ってないんですよね?」 「はい。 魂のすり減りも、削られた命数もしっかり補填されています。 安心してください」 深く寝入る咲良を見て、両親はゆっくり息をつく。

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