594 / 668

『二人とも俺の伴侶。 えっと…、そっちから向かって左が忍、右が玲』 『忍です。よろしく。 おや、可愛らしいですねぇ』 『玲だ。よろしく。 あー、うんうん。瑠維がじれったくなる訳だ。 そうだな、そっちの体格差ってのを考慮すると、適任は俺かな』 『そだね』 胡座をかいた玲の膝に瑠維が座る。 「わたくしは具体的に何を…?」 『ちゃんと体を預けてやんな。 とりあえず力抜け』 玲にされた指示どおり、肩の力を抜く。 『で、守弥っつったな、こめかみとか耳とか好きな場所を軽ぅく』 画面の中で玲が瑠維の右側な耳を軽く噛む。 『ん……ぅ』 瑠維の声が甘さを帯びる。 『ほらほら。 照れてんじゃねえよ。やってみやってみ』 『はう…っ』 かりり。 守弥も咲良も固まっている。 『取り敢えず、指示に従ってみましょうか』 忍が左の首筋に口づける。 「………」 「ひにゃ…っ」 かりり。 守弥が左の耳殻を噛む。 『そう。 やわやわってな』 「………」 かり。 「んに…っ」 咲良が首を竦める 反対側の首筋が露わになり、そこに口づけを落とす。 『やれば出来んじゃん。 そう…基本的に咲良は守弥のしたいようにさせる。 人前だったら、鼻先で耳をうりうりってするくらいかな。 それから…んーと、……守弥。 お前はもっと喋れ』 「………あ、ああ…」 『咲良もな。 もっと好きだって気持ちを口にしてみな』 『好き、大好き、愛してる。 もっとこうしたい、もっとこうして欲しいと。しっかり言葉にするんです』 『前から抱きついたり、守弥がしてくれるように後ろからギュッて抱きつくのもあり…。 んぅ…っ』 『周りに気を使うのは当然だけど、婚約期間もお互いの気持ちを伝え合うのは必要だしな』 「………わたくしも、ちゃんと言葉にいたします」 『ん』 『受け身でいる。 でも、ちゃんと思ってることを伝える』 「はい…っ」 『触れたくなったら、その時は触れる』 「………わたくしからも…?」 『そ。守弥が触れて欲しいところを触れてやること』 「はい…っ」 唇をキュッと噛む。

ともだちにシェアしよう!