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『8歳差だっけ。
なんか変に気を使ってるらしいけど、そんなの誤差の範囲内だかんな』
「は…?」
『うちの場合は二人とも瑠維と10歳以上離れてるんですよ』
『俺の弟なんか、伴侶と20歳差だし』
「そんなに…?」
『だから、誤差の範囲内って事ですね。
今回瑠維に話が回ったのは、あちらは伴侶が人目を憚らずイチャコラするから参考にならないんですよ』
『照れとか遠慮が先行しててまだるっこしいって母さんが言ってたのも、何となく窺えちゃったな…』
間違いが無いよう、なるべく犯罪紛いのことにならないようにと気遣っていたのだが、自分達の年の差よりもっと離れていると聞き、守弥も驚きを隠せないでいる。
『だからさ、あんまり気にしない。
加減がわからないときは、守弥に聞く』
「はい…っ」
『守弥もな、ちゃんと言えよ』
「あっ、はい…っ」
『匙加減は、少しずつ覚えていけばいいですから』
「………はいっ」
『婚約期間中に変な我慢するよりは、ラブラブっぷりを深めてっちゃえばいいんです』
「はい…っ」
何となく匙加減が出来ずに怖々触れていた部分もあった。
もっと踏み込んでいいのだと言われ、ホッとしたのも確かだ。
『大丈夫。
不安になったら守弥に聞く。
それでも解決しそうになかったら、俺たちが相談に乗るからさ。
安心して』
「はい…っ、本当にありがとうございます」
『またな』
『じゃーね』
通信が切れる。
「わたくし…、もっともっとちゃんと守弥さまを好きになりとうございまする」
「そうか…。
俺も咲良をもっともっと好きになる」
上を向くと、甘い表情の守弥と目が合った。
「は…っ、反則でございまする…っ」
「お前こそ、………っ、ああ、もう…っ」
自然に唇が触れる。
甘い吐息を混ぜ合わせるように、何度も口づけを交わした。
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