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「あの、おばば…」 「ん?雲外鏡のおんじ、どうしたんだい?」 「わしにもぐっじょぶくれないかのう」 「?………おおおおおっ!」 お腹に抱えた鏡の中には、時雨とは別の角度で捉えた咲良がいた。 「とっつぁん!別アングルで撮ってた訳!? あああああ!抱きついた時の萌え顔!おずおず~って見上げた時のちょい上目遣い!いい!いいよ!ちょうだい、もっとちょうだい!」 「おんじ、ぐっじょぶだよ! なんてぐっじょぶなんだい!」 歓喜に震える二人に、式神もそっとGoProを差し出す。 「実は私も…」 差し出されたGoProをパソコンに繋ぐ。 「え、社務所から出るとこ!? はわ!かんわいいぃぃぃ!」 「いつもより厳重に隠形しておりました。 このごーぷろも見えぬように…」 「なんてぐっじょぶな…!」 「兄さんが帰ってくるのが待ちきれないって顔…たまらない…っ」 咲良が外で待っている動画と、ほぼ咲良の目線で守弥を捉え歩いて行く動画。 そして、抱きつかれて驚く守弥の表情も撮れている。 「激写ちゃんすの爆増過ぎて、ばばはドキドキが止まらないよ…」 「わしも激写したい」 「われも」 「私も」 「ばあ様、GoPro増やした方がいいかもよ」 「早速ぽちっとくよ…!」 ばあ様の激写スタッフ爆増の瞬間であった。

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