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元々洋食より和食派だった守弥だが。 咲良を迎え入れてから、食の幅が広がったような気がしている。 咲良と向かい合わせに座って食べると、食べ物の味が更に美味しく感じるのだ。 所作の美しさもさることながら、とにかく美味しそうに食べる。 ニコニコしながら上機嫌で。 小さめの口だから大量に詰め込まない。 しっかりもきゅもきゅしてから飲み込む。 飲み込んだ後、表情がふわっと和らぐ。 「どうかされましたか…?」 「ん?いや、なんでもない」 チキンブレストをひと口頬張る。 「………」 ハーブと塩の絶妙なバランス。 胸肉なのにしっとりしていてパサつきもない。 「旨い…。 旨いんだが、………やっぱり咲良が作るご飯が一番旨いな…」 「………っ」 「どうした?」 「はっ、反則でございまする…」 「………?」 おにぎりを両手で持ったままで頬を染める咲良。 その頬に一粒米が残っている。 「珍しいな。ふふ…」 「………っ」 その一粒を摘まみ、自然な流れで守弥がパクっと食べる。 「……っ、…ぁ…っ、……っ」 ボッフウ!と蒸気が吹き出してしまったかのように顔が熱くて仕方ない。 いまだに初々しい反応をする咲良と上機嫌の守弥。 時雨やばあ様がこのふたりのやり取りを見ていたら、間違いなく爆萌えしながら激写していたに違いない。

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