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◆◇◆◇◆ 夏の大祭のあとは、外宮で執り行われる秋祭りの準備が続いていた。 秋の実りの感謝を神に伝えるのが主になる。 「俺、どうしても竜笛(りゅうてき)が苦手……」 「俺は篳篥(ひちりき)だな」 「そろそろ代役無しで祭りが出来ないかねぇ……」 ほとほと困り果てるばあ様。 「全く吹けない訳では無いのですよね?」 「吹けなくは無いけどね、たまにとんでもない音がするよ。 慣れてるばばでも頭が痛くなる」 「そんなに……?」 いや、まさか、そんな。 「試しに吹いてみるか」 守弥が構えると、ばあ様も身構えた。 ふぃ~。 鳴った。確かに鳴った。 「譜に合わせてごらん、守弥」 「ああ」 ひい~、ふぃ~。 少したどたどしいが、なんとかメロディの体は成している。 「そんなに酷くは……」 ぷいい~っ! 「……………………ない、か……と」 焦りが出たのか、時おり面白い音になる。 「んじゃ、俺も」 ひゃー! 「………………」 時雨は初めからオクターブ上だ。 ぴゃー!ひょろー!ぷぎー! おかしい。聞こえるのは鳶の声か、パニックを起こした子豚の声か。 流石に咲良も目をぱちくりさせた。

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