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翌朝。
朝食をとってから着替えたところで時雨が無料通信アプリで呼び掛けてきた。
『おっはよ~!
制服着てみた?どうよどうよ~?』
「お、おはようございます。
いかがでしょうか…?」
タブレットごしにチェックをしてもらう。
『ちょっ!
ダメダメダメダメ!
首筋とかうなじとか滅茶苦茶エっロいんだよ!?無防備に晒しちゃったら危ないんだって!ちゃんと隠しとかなきゃ!
薄手のハイネックのシャツ置いといたでしょ?
それをワイシャツの下に着なきゃだよ!』
「え、でも…シャツの襟からはみ出しまする…」
『大・丈・夫!
中学校の服装規則も結構緩いから!
首筋が寒い時はハイネックのシャツが襟からはみ出してても許されるよ~』
「たしかに…。
咲良、今日は放射冷却も起きてていつもより寒い。
防寒目的なら許されるぞ」
「は、はい…っ」
『あっぶなかったぁ…。
そんな綺麗な細首で無防備に行ってたら、首筋ペロペロはみはみされちゃうんだからねっ』
誰がペロペロはみはみするのだろう…。
内心ツッコミを入れつつ、咲良は素直にシャツを着込む。
「今度は大丈夫でしょうか…?」
『うんうん。いいね~。いいよ~!
それなら俯き加減のときも大丈夫!
慣れたらブレザーの下に薄手のパーカー着ていいんだからねっ。
兄さんのお下がりだから、余裕あるし』
「は、はい」
『んじゃ、駐車場で待ってるよ~』
ニコニコ顔の時雨の後ろには、登校の準備中の弟妹たちがいる。
『あっ、うさこ!おはよう~っ!』
『おっはよー!制服似合ってるよ~っ!』
『おはよう、うさこ!今日も可愛いぃぃぃぃっ!ぐは!』
『ちょ、鼻血鼻血!』
『つっぺ!つっぺ!(鼻栓!鼻栓!)』
『学校で待ってるね~!』
『大丈夫だからね~っ!』
『え、咲良ちゃん!?待って!お母さんよぅぅぅぅぅぅ!』
プチっ。
守弥の母が呼び掛けたところで通信が切れてしまった。
「取り敢えず…出発するか…」
「はい…っ」
防寒着を手に、玄関へ向かうことにした。
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