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「ど、どこから見えていたのですか…?」
恐る恐る聞けば、咲耶が指をさす。
「その………教室の窓から…バッチリと…」
「………………っ!
ひああ…っ」
血の気が引いているのに顔が滅茶苦茶熱い。
二階から見えていたなら、更に上の階からも見えていたのかもしれない。
「ま、如何わしいことしてたわけじゃないし、ぎゅうってハグしておでこグリグリしてたくらいだから、微笑ましいワンシーン的な感じで受け止めてもらえてるみたい。
安心しといて」
「う、……っ」
「相手は婚約者な訳だし、結婚式も近いから離れがたいのも仕方ないって説明しておいたからさ。
大丈夫だと思うよ」
「………申し訳ありませぬ…」
「謝んないの。
離れたくない時だってあるわよ。
お互いに周りが見えないくらいにさ…」
「………はわわ……」
「大丈夫だよ、多分…」
「………」
真っ赤な顔のまま席につくと、わしゃわしゃされて乱れた髪を咲耶が軽く整えてくれた。
「ありがとう…咲耶…」
「ちょ、なんか頭熱くない?」
「えう…」
「落ち着いて。大丈夫だって!」
真っ赤で半泣きの咲良をなだめて席に戻っていく。
なんてことをしてしまったのだろう…。
顔が熱い。
体も熱い。
手がカクカクする。
「咲良くん可愛い」
「あまあまラブラブなのいいなぁ」
「つか、あのイケメン兄さんどこで捕まえたの」
「馴れ初め聞きたい…っ」
女子たちは興味津々。
「好きって気持ちを素直に出せる相手っていいな」
「全然違和感ないし、やらしさの欠片もないってすげえよ」
「いいなぁ…」
男子も照れつつ席につく。
からかわれるのも辛いが、概ね好意的に受け止めてもらうのもいたたまれない…。
顔から蒸気が吹き出しているのではと思うくらいに熱かった。
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