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毛布と守弥の上着の効果で熱のうねりは一旦引いたが、それも一時的なもの。 いずれまた咲良の中で暴れ出す。 「今の内に本宮に移動させた方が良いでしょうね」 「そうだねぇ」 宮司とばあ様が頷きあう。 「このまま早退ってことにすればいい?」 「そういうことになるねぇ」 「あっ、それなら私が職員室に知らせておきますね」 「すまないねぇ。 すまないついでに、ここと部屋を一時的に繋いでもいいかねぇ?」 「水上の番(つがい)と同じ状況なら、構わないと思います。 緊急事態的なものですし」 「ありがとうございます。 なら、早速」 軽く会釈をして宮司が空間をスーッと切り開き、保健室のベッドの横にいつも寝ている寝台がくるように高さを調整していく。 「こんなもんですかね」 「あっ、繋がったぞ!」 「咲良!大丈夫か!?」 寝台の上で待ちわびていた猫又や家鳴り、屏風覗きがぶんぶんと手を振っている。 「おい、とっつぁん!ほれ!ばあ様が繋いでくれてっぞ!しょぼぼんとしてる場合じゃねえ!」 「お、おおおおお!?」 床でしょぼんとしていた雲外鏡があわてて寝台に飛び乗った。 「さくら!大丈夫か!?」 「は、はう…」 こくこくと頷くと、寝台側の皆が胸を撫で下ろした。

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