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「まだ辛そうだな」 「でも、なんか朝より可愛いよな」 「うん」 「ほんわぁって頬っぺた染まってて可愛い」 「エロいのう」 「えろくて可愛いのう」 「わし、ドキドキしとる」 向こう側の様子を見てばあ様がうなずいた。 「うんうん。ブレもないようだねぇ。 さくら、ちょこっと我慢しておくれ」 ばあ様は咲良に掛けられた毛布の向きを変え、寝台に半分かけた。 「………?」 「二つの空間を繋いでいるので、隙間に落ちないようにしてるんです」 「ふぅん…」 そういうものなのかと咲耶は納得することにする。 「咲良さん、守弥さんのジャケットを羽織って毛布の上に乗ってください」 「は、はい」 急いで羽織ると、守弥の香りに包まれた。 「は、はう…っ」 収まった熱が下腹でぐりんとうねる。 それを堪えて毛布の上に座った。 「さくや、真ん中をぎゅーっと押さえておくれ」 「うん。まかせて」 「恭仁はこっちの角、ばばはこっちの角だねえ」 「おまかせを」 保健室側で毛布の三ヶ所を押さえると、寝台側にいた付喪神や式神達が毛布の端や角を押さえた。

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