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二人が深く眠っているのを確認した付喪神たちは、ばあ様や式神と車座になっていた。 「…やっぱり、見えてたんだねぇ…」 「うん」 「はっきりじゃないけどさ」 「さくらが追いたてられるみたいな感じになったあたりからだよな…」 「あれ、さ………」 ここ二週間の咲良は、一心不乱に練習をしていた。 その姿に重なって見えるようになったもの。 「多分、鬼夜叉が言っていた″起源の咲良″なんだろうねぇ…」 ばあ様が、ぽつりと呟く。 「なんで? なんで今を生きてる人間に、起源の魂魄が重なるんだ?」 「悪いものじゃないのはわかるけど、そんなのふつうじゃないよな」 「俺たちよりも、もっともっと古い魂だぞ、あれは」 「多分だけど、二千年位前のものだからねぇ…」 「に、にせん…ねん…!?」 室町から戦国あたりと思っていた式神も、流石に絶句する。 「2000年……そんなに古いとは…。 さくらの起源は、そこまで遡るのですか?」 「もっと長い魂を持ってる者も、まだまだいるよ。 ただ、抱えているものに問題があるだけで…」 「守弥どのの魂魄も、遡れば同じくらいなのでは…」 「そうだねぇ…」 「ここ数日ですが、さくらのように…」 「うん」 「似てるけど、もう少し背が高い…」 そう。 咲良に起源の姫が重なるように、守弥にも起源の青年が重なって見えるようになっていたのだ。 「悪いものじゃない。だけど…」 「何が起こるんだろ…」 「こわい、こわいよ」 「怖いけれど、あの二人が引き裂かれることにならないように手助けしていこうねぇ」 「んだ。それだ」 「うん!」 その場にいる全員が、心に固く決めた瞬間だった。

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