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守弥が起きて寝るまでの間は居間。 寝てから起きるまでは、守弥の部屋に。 それが、みんなで決めたルールだ。 座布団の上に咲良を座らせ、思い思いの品を持ちより、付喪神と式神のお茶会が始まった。 「咲良、これ、教えてもらった餅菓子だぞ」 「焼き菓子も!」 「がっこ(漬け物)もあるぞ!」 話したいことがいっぱいある。 伝えたいことも。 聞いてみたいことも。 今までは奥宮の仕事などがあったし、守弥に張り付いてもいた。 決まった時間というものがなかったが、この状況なら咲良とともに過ごす時間が出来る。 返事はなくとも、近くで語りかけられる。 それだけで十分。 「咲良、いま何処にいるんだろうなぁ」 「魂魄の気配がなぁ、遠い感じがなぁ」 「でも、たまぁに気配感じないか?」 「あっ、それ!俺も!」 「なんかさ、ふんわぁってするときないか?」 「んだんだ!」 体から抜け出た咲良の魂魄。 時折気配がするものの、付喪神らは未だ見つけられていない。 「いんのかな」 「多分」 「あんだけアイツにぺったりだったんだ。 きっと近くにはいるよな」 「いるいる!」 「外は危ないから、多分奥宮のどっかかな」 「いたらいいなぁ…」 確証は無いのだが、なんとなく感じる気配。 ならば、見つけてやりたいと思うのだ。

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