424 / 668
・
守弥が起きて寝るまでの間は居間。
寝てから起きるまでは、守弥の部屋に。
それが、みんなで決めたルールだ。
座布団の上に咲良を座らせ、思い思いの品を持ちより、付喪神と式神のお茶会が始まった。
「咲良、これ、教えてもらった餅菓子だぞ」
「焼き菓子も!」
「がっこ(漬け物)もあるぞ!」
話したいことがいっぱいある。
伝えたいことも。
聞いてみたいことも。
今までは奥宮の仕事などがあったし、守弥に張り付いてもいた。
決まった時間というものがなかったが、この状況なら咲良とともに過ごす時間が出来る。
返事はなくとも、近くで語りかけられる。
それだけで十分。
「咲良、いま何処にいるんだろうなぁ」
「魂魄の気配がなぁ、遠い感じがなぁ」
「でも、たまぁに気配感じないか?」
「あっ、それ!俺も!」
「なんかさ、ふんわぁってするときないか?」
「んだんだ!」
体から抜け出た咲良の魂魄。
時折気配がするものの、付喪神らは未だ見つけられていない。
「いんのかな」
「多分」
「あんだけアイツにぺったりだったんだ。
きっと近くにはいるよな」
「いるいる!」
「外は危ないから、多分奥宮のどっかかな」
「いたらいいなぁ…」
確証は無いのだが、なんとなく感じる気配。
ならば、見つけてやりたいと思うのだ。
ともだちにシェアしよう!