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本性
そんなわけで、王司は俺を気にしながら自分の欲望に従って時間をかけていたアナルコミュニケーション。
しかしここで問題が……おかしな音が、聞こえてきたのだ。
「……さとしくん、大丈夫?」
「んぁっ……!つか、おっ、まえッ!」
「ごっ、ごめんね?ごめん!……でもほら、こんなにも、」
――解けてきたよ……?
慣れないなにかが俺のケツの穴にある。それだけでも非日常なくせにここまでするのか……改めて平三の凄さがわかった気がする。
ソファーで縮こまる俺の体は今、恐ろしい事が起きていた。あれからどのぐらい経ったかは知らない。でも絶対に一時間は経ってるはずだ……。
恥もなにもなくなってきて、ただただ違和感のあるものを感じていた時間。口を付ける、キスをする、などとソフトな言い方でこういった展開になってしまった。
俺としては早過ぎる行動と、その前にいろいろ確認した方がいい気持ちの問題が先だろうと思っていたが王司は違うみたいで、とにかく先へ先へ行こうとしてやがる。
舌を使ってそこを舐めてきたり、指を使って押したり広げられたり。……王司のヨダレが出始めた音が耳に入ってきた時はどうしようかと悩んだ。
止め時がわからなくなってきた、と……。
これまた悔しい事に王司がやる全ての事に対してだんだん声もちゃんとおさえられなくなってきて、頭の隅で倒れていた理性も覚めたのか途端に『やばいやばい』と焦りが出てきた。
いや、だって、こうなるはずじゃなかったんだ。
それなのに俺の予想をはるかに超えた結果が、もしかして気持ちイイ……?と思ったから。
さすがに……さすがにダメなんじゃないか、と理性が語り始めたその時――どこから出してきたのかわからないがローションをたっぷり出して、温めて俺のに付けてきた、っていう。
「はぁはぁ、ん……王司、まさかと、思うが……」
「ゆ、ゆび、いれちゃった……一本」
で、おかしな音。
それは王司の指が俺の穴に入ってきた時の、ローションとともに出た、音らしい。
恐ろし過ぎてどうしようかと……俺の体内に他人が入り込んできている……。
「おっまえ!なに挿れてんだよっ!」
「あ!今の智志くんは動いちゃダメだって!一度も挿れられた事がないから、傷出来ちゃう……」
「じゃあ抜けよっ!」
広げていた足を閉じようと、ついでに王司を蹴っ飛ばそうとしたら驚くべき場で力を発揮してきた王司により閉じれず、怖い事まで言ってきた。
なんだ……傷って、どんなだ……!
嘘なのか本当なのか……わからない俺にそんなことを言うなって!
くっそ、指が入ってるらしい感覚のせいか息が浅く、ちゃんと吐けない。
将来的にはその指よりお前のチンコの方がでかいんだから……ここで傷出来たら本番どうなんだよ!
俺が血祭りにされるのか?
あんまグロテスクとか苦手なんだけど……もちろん俺は王司みたいに痛いのが好きではない。むしろ嫌いだ。なにを好んで気持ち良いに達するのかがわからん。
だから王司の理解はそれほどしていない。
やられる側は理解出来なくても、やる側として理解をしてやってるんだ!
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