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夏の自堕落ミス

   息を荒く、一時的にくるダルさになんとか耐えつつ王司を見ると、王司も王司でほとんど窒息に似た行為をしたせいか肩が大きく上下に揺れている。  口のナカに俺の精液が入ってるせいか、さっさと出せばいいものの、両手で押さえて出さないようにしていた。 「ん……王司、隙間から垂れてる」  見たままに伝えてやれば王司は慌てて垂れてるところから指ですくって、また口のナカに入れている……が、何度見ても思うことがある。  不味いんだろうなぁ、と。 「……美味いか?」 「……ッ、ん、おいし」 「そうか……」 「うん。……うん?」  俺の、妙に冷静な返しに王司は首を傾げながらも手探りで俺のケツ穴に触れ始めた。  わかっていたことで、もうそれにビビらない俺ってばすごい。ちなみに王司がこっそり俺のベッドの下にローションとコンドームを隠しているのを、俺は知っている。  王司の自室ならどこの箇所にも置かれているだろうがもう二つ、隠してある場所がある。この間の掃除で見つけてさ……漫画でよくあるシーンと同じだ。  母親が思春期の息子の部屋を掃除してたらエロ本見つけた時の気まずさが描かれているだろ。あんな感じで、自室のこことリビングの掃除をしていたらゴトッと出てきてな……。  俺の部屋はベッドの下。  そしてリビングにはなぜかソファーの下に置いてあったんだ。  一瞬、初めてヤった日を思い出して“どこから取り出したのかと思えばソファーの下からか……”と思ったその時の俺は、どうしようもない気持ちになっていた。 「お前のココははやく挿れたくてしょうがねぇほど反り立ってんな」  こっちもこっちで王司を気遣って寝転がりながら足で反り立つチンコを突けば、跳ね上がるほど敏感になってて笑う。 「んんッ、挿れたいよ」 「あぁ?」  ちょっとねだったら甘やかしてくれると思っているのか、ふにふにと挿れたいあそこを解しながら猫なで声を発してきた。  そういうのは別にいらないと思っている俺からしたら二度聞きで確認したいほど。 「……はや、く、智志くんのナカにっ、挿れ、たい、です……ッ」 「なんつーカタコトだ」  またもや来た敬語にちょっと興奮。  んー、真っ直ぐで潤んだ目に敬体はなかなか良い。どう思われてもいいから言わせてくれ。  敬語が素晴らしく、良い。 「んっ、ふ……」 「智志くん、さとしくんはもう痛くない?」  バカな事を心のなかで呟いていたらローションを馴染ませてきて、くぷっと指が入ってきた。  どうしようもない違和感はあってもいずれは気持ち良くなってきて、否定する気にもならずそのまま王司を受け入れる時間が短くなっているのを感じる。  心配してくる王司に頷きながら平気な顔を見せれば輝いて見えた目に思わず苦笑いが溢れる。  慣れとは怖いな。  よく聞く前立腺を中心に解してもらっていると視界にあるものがチラついて見えてきた。それは穿いているはずの、王司のジーンズ。  なぜだか脱いであるジーンズと、王司を交互に目だけを動かして見るが……あれはどう考えても王司のジーンズだ。  王司はいつの間にか全裸になってて俺のあそこを触っているわけで……こいつ、相も変わらずハイスピードを好んでいやがる。  俺はまだTシャツは着ているしジーンズだって片足は脱がされているが、完全に脱いでいない。丸裸の王司に服を脱いでいない俺って構図的にどうなんだ……。  気にしなくてもいいようなところまで頭が回るから、慣れっていうものは本当に怖い。二度思うほど、怖いぜ。 「智志くん、挿れてもいい?もうやだっ、我慢出来ないッ」 「お、おう」  流れ作業かのように速攻でゴムをつけて、俺の返事なんて聞く気があるのかないのか、とりあえず全部言い切った時には穴にチンコを擦りつけていた。  たぶんこいつに『俺がイってもいいぞ、って言うまでイクなよ?』と言ったところで我慢出来ずにすぐイクんだろうな……いや、いいんだけどさ。  勢いがあり過ぎというか。 「ドMなのに耐え性ねぇよなぁ……」  ボソッと呟いた俺の言葉は、興奮しきってサルなみの頭になってる王司に届いていないみたいだ。 「んぅ……っ」 「はぁッ、さとしくん智志くん……」  もう、ぐっと来てどんっと食い込んでぐぐぐって……こんなんじゃ伝わんねぇな……。  気を利かせてかゆっくり挿れてくる王司に、そのゆっくりが逆に圧迫感でツラく感じる俺。かといって最初みたいに一気に来られても困るんだが、今はどっちかっていうと一気にきた方が楽なような気がしてきた。  王司の完勃ちしたモノが俺のナカに挿入ってきて、最初は奥まで少しずつ突いて来る。揺れる体に王司の鳴く声が耳に響き渡って、俺も気持ち良くなってくる流れ。  苦しそうに、だけど快楽を得てるような表情を見るのが好きでたまに王司をガン見する時があるが、王司はそれがすごい恥ずかしいらしく手で顔を隠す。  今日もそんな感じで何度も俺の名前を呼ぶ王司を見る。 「あッ、ぁん……はぁ、んンっ……さとし、くん、やぁぁッ……」 「おまえ声出し過ぎだっつの、ッ」 「み、見られちゃうと、イっちゃうよッ」 「はッ、どんだけ……ん、おー、じ……っ」 「さとしくん、はぅ……智志くんッさとしくん……!」  腰を突き上げて、はやくなっていくリズムについ手で口を塞ぎそうになるが、ここでは我慢。  王司 雅也とは、こんな時こそ責めれば結構面白いやつなのだ。 「ん、おうじ……お前ってば、絶対受け役ッ、はぁ、いけるって……」 「んーんッ、やぁ、あッ」  小さく首を振りながらも腰のリズムは変わらず器用に気持ち良さを求めて、与えての繰り返しで王司の手が俺のモノも扱き始めた。 「あんま拒否権、ねぇんだけどッ?」 「うん、うんうん、はぁぁッ……さとしくん、しゅきぃ……!」 「ぶははっ――な、んでそこで、噛むんだよ、っ」  こんな行為のなか本気で笑うなんてあり得ないと思っていても王司が面白くてつい声をあげてしまった。  動いてるせいで噛んだのか、それとも舌が回らずそうなったのか……あ、 「おい、なんで今ナカで大きくなったんだ……ンんっ」 「あうぅ……ごめんな、さい、アッ、さとしくんの、乳首がかわいくて……」 「乳首ガン見かよッ」  続けて口に出す言葉に、俺は王司の首に腕を回して、耳元で――変態だなぁっ、と囁けばブルッと体が震えて高い声をあげ、ゴム越しから伝わってきた熱と俺自身の白濁に、暑さがよりいっそ上がったような気がした。  

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