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第47話
慌てて膝を閉じようとすれば、割り入ったアンバーの脚に阻まれて、さっきよりもまた大きく開かされてしまう。
────こんな格好は……
「は、恥ずかしいから……」
訴えると、アンバーは耳元でクスッと笑う。
「どうして恥ずかしいの? 二人きりなのに? しかも僕からは見えないんだよ? アンジュの恥ずかしい姿……」
──前に鏡があったら良かったのに。
と、続けながら、アンバーは片方の手でアンジュの膝裏を掴んで持ち上げた。
「あっ、ぁ、やだ……」
そうして、もう片方の手が会陰部を滑り、双丘を割り開く。
「ひ、ひろげるな……」
何度もアンバーを受け入れたそこが、くぱっと口を開いて露わになっているのが、見なくても分かる。
「ここ、お湯の中なのに、ぬるぬるしてるよ……」
「…………っ」
身体の奥から滲み出た愛液が後孔から溢れ出ているのを、アンバーの指と言葉で教えられ、羞恥に顔が熱く火照った。
「すごい、エッチだね」
「うるさ……っ、や……ッ、そんなに広げたらお湯が……ッ……」
広げた股の間から、くぷっと小さな泡が一つ、浮かび上がる。
「もしかして……ここも触られた?」
アンバーが、スンっと鼻を鳴らしながら、呟くようにそう言った。
身体の中に残されたトレイターの匂いを、敏感な獣の臭覚は嗅ぎ分けてしまう。
そんなところまで触られたなんて、アンバーには知られたくなかった。
だけど、そう思う反面、“知ってほしい”という気持ちも、心のどこかで芽生えている。
あちこちにつけられたトレイターの跡を、全部残さずアンバーに消してもらいたいから。
「……うん」
アンジュが、ためらいながらも小さな声で頷くと、それと同時に、怒りを堪えるような、押し殺した声が聞こえてくる。
「……くそ……っ」
少しだけ後ろへ視線を向けると、わなわなと震えるアンバーの唇が視界に入った。
──やっぱり、言うんじゃなかった。言ってはいけなかった。
そう頭に過った瞬間、身体の奥へと、アンバーの指が一気に根元まで挿し入れられた。
「……っ、ああっ」
熱く濡れた内壁をぐるりと撫で、奥を突き、何かを掻き出すように動く。すぐに指が増やされて、二本の指で入口を広げるようにしてピストンされる。
「……っ、あ、アンバー……やっ、お湯が……」
さっきよりも確実に、湯が身体の中に入ってくる。
「大丈夫。綺麗にしてあげるから」
身を捩るアンジュの身体を動かないように片手で抱きしめて、アンバーは、また指を増やしていく。
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