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第10話
溢れてきそうな涙を堪え、口角を持ち上げる。
「……ごめんね、カズ」
ナツネくんが、いつかあの地下室から出てこられたら……
そしたら、辞めるよ。
それまでは……同じ痛みを、僕にも……
「……!」
奪うように、唇が重ねられる。
それは一瞬で、すぐに離れていく。
「……俺の、せいか……?」
「………」
「あの時、お前を背負って連れて帰ったのは……俺だ」
僕の手首を掴むカズの指に、ぎゅっと力が籠められる。
「……ごめん、伊江」
カズ……
違うよ……カズのせいじゃ……
僕の手を離したカズの右手が、僕の服に侵入し、肌をスルリと撫でる。
「……っ、ん……!」
僕の唇を再び塞ぎ、そうしながら胸を弄るカズの指は、僕の小さな膨らみを見つける。
「……はっ、ぁ……」
舌が滑りこみ、絡まり、
胸の突起を摘ままれ、弾かれ、転がされれば……
「……は……ぅん、ふ……っ、!」
体の芯から熱が産み出され、沸騰したように熱く火照っていく……
「俺のせいにしろ、伊江」
「……ゃ……なん……で」
「伊江……」
再び首筋にカズが顔を埋め、舌先でつぅ、と鎖骨に向かってなぞる。
ゾクゾクッと体が震え、堪らなくなって左手をカズの背中に回した。
「俺が全部、受け止めてやるから」
「………!」
『そん時、お前はそれで幸せだったのか……って問われんのかなってよ』
「……カ、ズ……」
カズの唇が、僕の浮き出た鎖骨を食む。
そうして骨に沿って尖らせた舌先をなぞり……
「あ、あぁんっ……!」
僕の乳首を、口に含んで……舌で弾いた。
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