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第11話
「……だ……め、……ぁあン、っ!」
ぴくん、と弾かれ、背が弓形に仰け反る。
抑えようと思うのに……声が……
それに、指先までジンジンしてきて……
「……ねぇ、カズ……」
「ん?」
「……僕も、カズに……したい」
おずおずとそう口にすれば、顔を上げたカズが憂いを含みながらもシニカルな笑顔を見せた。
……ん……ぅン……
両膝をつきお尻を天に突き出した格好で、カズの曝け出した怒張を口に含む。
カズのは大きくて、全部は入らなくて……
「……マジ、かよ」
舌で包んで、吸い上げながら裏筋を攻めれば、カズのモノがビクビクと脈打つように震え、堅く反り立っていく。
「すげぇ、気持ちいい……」
興奮したカズは、熱い息を吐きながら僕の髪に触れた。
……僕が闇に堕ちた時、
カズはいつも僕の傍にいてくれて
支えてくれた──
特殊清掃の仕事に就いてすぐ
堪えきれない程堕ちきって、メンタルが弱った僕を抱き締めてくれて……
その時の人肌の温かさと心地良さと雰囲気に、つい飲まれてしまって……
弾みだった。
ただ、肌と肌を合わせて、その温もりに縋りつくだけのつもりだった。
どちらともなく顔を寄せ、唇を重ね
カズに組み敷かれて抱かれながら……僕は何度も何度も「ナツネくん」と泣き叫んでしまっていた。
カズとの一線を越えた翌朝……
顔を合わせ辛くて、少し気まずい空気にはなったけれど……
でも、避けたり離れたりはしなかった。
僕には、カズしかいないから──
多分カズにも、僕だけ……
だって、あんな地獄のような世界に一緒に投げ込まれて
一緒に行動を共にして……一緒にその景色を見てきたんだ。
僕を理解してくれて、傍にいてくれるのは………カズだけだから。
「……カズ」
愛おしく舌を絡め、舐め上げていたカズを口から外す。
そして恍惚とした表情のカズを見上げれば、カズは浅い息遣いのまま僕に視線を向けた。
「……僕を見限って……捨てたりしないで」
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