11 / 19

第11話

「……だ……め、……ぁあン、っ!」 ぴくん、と弾かれ、背が弓形に仰け反る。 抑えようと思うのに……声が…… それに、指先までジンジンしてきて…… 「……ねぇ、カズ……」 「ん?」 「……僕も、カズに……したい」 おずおずとそう口にすれば、顔を上げたカズが憂いを含みながらもシニカルな笑顔を見せた。 ……ん……ぅン…… 両膝をつきお尻を天に突き出した格好で、カズの曝け出した怒張を口に含む。 カズのは大きくて、全部は入らなくて…… 「……マジ、かよ」 舌で包んで、吸い上げながら裏筋を攻めれば、カズのモノがビクビクと脈打つように震え、堅く反り立っていく。 「すげぇ、気持ちいい……」 興奮したカズは、熱い息を吐きながら僕の髪に触れた。 ……僕が闇に堕ちた時、 カズはいつも僕の傍にいてくれて 支えてくれた── 特殊清掃の仕事に就いてすぐ 堪えきれない程堕ちきって、メンタルが弱った僕を抱き締めてくれて…… その時の人肌の温かさと心地良さと雰囲気に、つい飲まれてしまって…… 弾みだった。 ただ、肌と肌を合わせて、その温もりに縋りつくだけのつもりだった。 どちらともなく顔を寄せ、唇を重ね カズに組み敷かれて抱かれながら……僕は何度も何度も「ナツネくん」と泣き叫んでしまっていた。 カズとの一線を越えた翌朝…… 顔を合わせ辛くて、少し気まずい空気にはなったけれど…… でも、避けたり離れたりはしなかった。 僕には、カズしかいないから── 多分カズにも、僕だけ…… だって、あんな地獄のような世界に一緒に投げ込まれて 一緒に行動を共にして……一緒にその景色を見てきたんだ。 僕を理解してくれて、傍にいてくれるのは………カズだけだから。 「……カズ」 愛おしく舌を絡め、舐め上げていたカズを口から外す。 そして恍惚とした表情のカズを見上げれば、カズは浅い息遣いのまま僕に視線を向けた。 「……僕を見限って……捨てたりしないで」

ともだちにシェアしよう!