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第12話

皮を引っ張って竿の根元を持ち、再びソレを咥えようと口を開けた時だった。 「……なに、言ってんだよ」 その赤い舌先が、亀頭の先にある小さな割れ目に触れる瞬間……カズが僕の両肩を掴んでそれを制した。 「たり前だろ……!」 鋭い眼力。 感情に任せて引き剥がし、目を見開いた僕に顔を近付けるカズ。 「お前が俺を……足手まといだった俺を、あの地獄から救い出してくれたんだろ……? 今度は俺が、お前を救ってやる。 こんな形になっちまったけど……でも、どんな形だろうと………俺は、伊江の支えになりたい」 「……カズ」 抱き竦められて……胸の奥がきゅう、と締め付けられる。 肌と肌が小さく擦れ合う度、溶け合っていくような……心地良さ。 心臓の高鳴り…… ……本当に、カズと僕の細胞が混ざり合って ひとつになっちゃえばいいのに…… 僕なんていらない。 カズの体の一部になって……もう何も考えたくない…… やがて高揚したカズに押し倒され、下肢を撫でられる。 膝裏に手を掛けられ割り開かれれば、その後孔にカズの指が触れた。 「……ちから、抜いて」 「ん……、」 軽く瞼を閉じれば、ソコにカズの指が差し込まれる。 「……ぃ、……」 「ごめん……そっとやるから」 カズが壊れ物に触るかのように、僕の髪に触れる。 カズはいつだって優しい。 こんな蜂蜜のように僕をとろとろに溶かして甘やかしてしまうカズは……やっぱりズルい。 「……あっ!」 窄まる襞を押し広げ、恥肉を擦り上げながら奥へと侵入すれば……カズの指先がある一点を刺激する。 「ここか?」 「……ぅ、うん……は、ぁあっ!」 その最奥にある一点から、全身へと広がる快感。 ビリビリと電気が走り抜け、奥が熱くなり、腰が勝手に揺れてしまう…… 「……いゃ……や……!」 顔が熱い。 いや、体も心も………全部。 「や、……ゃらっ、ヘン……変になっちゃ……っ」 「なれよ、伊江」 カズの背中にしがみついて、何とかその熱情を逃そうとする。けど…… 「ああぁ……っ、!」 飲み込んだカズの指が……愛おしくて…… 僕の中で動くそれを、離すまいとぎゅうぎゅう締め付けて…… 「……伊江……すげぇ、色っぽい」 カズが、柔く瞼を持ち上げた僕の喉元を、柔く食んだ。

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