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第14話

脱力しきってベッドに横たわる僕に、カズが後始末をしてくれる。 「……なぁ伊江」 丸めたティッシュをゴミ箱に投げ入れ、僕の隣に仰向けになったカズがぼそりと呟く。 「………」 「その……飲みに行った先輩とは……」 どこかもごもごとして歯切れが悪い。 「……な、何も……」 「あ、あるわけっ……!」 カズが何を思い倦ねていたのかを察し、カァッと顔が熱くなる。 『襲って食っちまうぞ』 あれは、巨大カマキリの化け物になりきって言った、先輩の悪い冗談で…… 顔を隠すようにカズに背を向ければ、背後からカズの手が伸び、僕の体を包む。 「……左の鎖骨の下、にさ……鬱血痕……みたいなのがあったから……」 「そんな訳……」 そう答える僕の項にカズの唇が当てられ、ぢゅっ、と強く吸い付かれる。 「……んっ、」 「もう、そいつと酒飲むなよ」 「……な、んで。ただの……付き合いだって……」 カズが僕の後ろ髪に顔を埋め、僕の乳首を摘まんで悪戯する。 「駄目。……伊江は、俺のだから」

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