14 / 19
第14話
脱力しきってベッドに横たわる僕に、カズが後始末をしてくれる。
「……なぁ伊江」
丸めたティッシュをゴミ箱に投げ入れ、僕の隣に仰向けになったカズがぼそりと呟く。
「………」
「その……飲みに行った先輩とは……」
どこかもごもごとして歯切れが悪い。
「……な、何も……」
「あ、あるわけっ……!」
カズが何を思い倦ねていたのかを察し、カァッと顔が熱くなる。
『襲って食っちまうぞ』
あれは、巨大カマキリの化け物になりきって言った、先輩の悪い冗談で……
顔を隠すようにカズに背を向ければ、背後からカズの手が伸び、僕の体を包む。
「……左の鎖骨の下、にさ……鬱血痕……みたいなのがあったから……」
「そんな訳……」
そう答える僕の項にカズの唇が当てられ、ぢゅっ、と強く吸い付かれる。
「……んっ、」
「もう、そいつと酒飲むなよ」
「……な、んで。ただの……付き合いだって……」
カズが僕の後ろ髪に顔を埋め、僕の乳首を摘まんで悪戯する。
「駄目。……伊江は、俺のだから」
ともだちにシェアしよう!