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第18話

カズの手が僕の下肢へと伸び、 反応して首を擡げた僕のモノを、優しく包む。 「……っ、だめ…」 体を捩るけれど、カズはそれを許してはくれない。 「駄目。……心配させた罰」 「……ぁ、っ!」 上下に強く扱かれ、熱情を僕から引きずり出す。 感じる声を漏らせば、カズが僕の耳に息を吹き込みながら食んでくる。 「……ゃ、やぁっ、」 舌先が耳穴に滑り込めば、脳まで響く卑猥な水音。 小さくイヤイヤをするけれど、カズは辞めるつもりはないらしい。 喉元に顔を埋め、僕に鬱血した印を付け。 扱いて溢れ出た先走りを指に絡め取り、そのまま後孔へ…… 「……カズ……ゃ、……」 一方的に与えられる快楽に、僕は力を振り絞ってカズの両肩を押し上げた。 「待って……まだ……」 「駄目だ」 その手首を、カズの空いた手が掴み……ベッドへと縫い付ける。 浅い息を吐き出す僕に、カズがねっとりと唇で塞ぐ。 ……押し込まれる、カズの舌。 「……ん、はぁ……はっ、ま……まっ……」 咥内を弄られた後、僕の舌を巻き取って、強く吸い上げられる。 性急すぎる行為から逃れるように、僕はぎゅっと目を瞑った。 ……はぁ、はぁ、 「………もう、これ以上失いたくない」 頬に、熱いものが滴り落ちる。 驚いて目を開ければ、カズの瞳が赤く潤んでいた。 「あの一件以来、家族が行方不明になって…… 俺の大切な人達が、失われて…… 俺にはもう、伊江しかいないんだ。 ……伊江しか……」 ぽたぽたっ…… カズが苦しそうに瞼を閉じれば、そこから零れ落ちる、大粒の涙。 「置き手紙を見た瞬間、体が凍り付いた。 この世の終わりかと……思った。 ……勝手に出て行ったりするなよ。 捜さないでくれって……言うな。 伊江までいなくなったら俺……どうしたらいいんだよ…… ……一人でなんて、生きていけねぇよ!」 頬についた、涙の線。 その上を、新たな涙が伝う。 「……ごめん」 片手を伸ばし、その頬を涙ごと包む。 そして真っ直ぐ、カズを見上げた。 ごめんね、カズ…… カズにも僕しかいないのに。 見限らないで、って……僕がカズに言ったのに…… ……なのに……僕…… 「どうしても、ナツネくんに会いたくて…… ……会って、謝りたくて……」

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