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第4話

最近まともに寝ていないからだろうか。少しだるい。目を擦りながらも、体を無理に立たせる。次は体育だ。 「夏乃、大丈夫か?すげー、体調悪そう。」 友人の野原多々(ノバラ タタ)が僕の顔を覗き込んでくる。しかし、心配してくれるのは嬉しいが、所詮はただの寝不足だ。 ほっとけば元気になれる。 「ん、大丈夫。多々、早く着替えて行こう。…多々?」 「キツいんだろ。倒れる前に寝とけよ。先生には適当に理由つけといてやるから。」 「うーん、気持ちは嬉しいけど、授業は 受けなきゃ。それに本当にただの寝不足なんだ。」 僕がそう言うと、仕方がないと困ったように笑う多々。良い友人を持ったものだ。 さて、と歩き出した所だった。 一瞬世界がグラッと傾き頭が回った。体の全体の力が抜けると、その場で僕は意識をなくした。 遠くで、多々の僕を呼ぶ声が聞こえた気がした。

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