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第5話

多々side 白いベッドに横たわる友人を眺める。そう言えば、こんな事、昔はしょっちゅうだったなと思いながら気持ち良さそうに眠る夏乃の頬っぺたを摘む。 「お前は随分と気持ち良さそうだな。」 しかし、この状況は宜しくないな。 今、夏乃は無理をしている。これが続けば夏乃はまた倒れるだろう。それに問題はそこだけじゃない。 このまま行けば昔のように夏乃は…。 ガラガラと保健室のドアが開いた。目線をそちらに向けるとどうやら生徒会役員が勢揃いしていた。 「…、どうしたんですか?先生ならさっき用事で出て行きましたよ?」 「別に先生に用があったわけじゃないから。一青が倒れたって聞いたから見に来たんだ。」 多分だけど、いや、確実に倒れた原因は彼らにあるだろう。 この前9時を過ぎて学校から帰ってきたと夏乃の兄が心配そうにぼやいていたのを思い出す。 最近、生徒会役員が外で遊んでいるという噂も聞く。夏乃は先輩の仕事までしているんじゃないかと俺は踏んでいる。 まっ、それは俺の予想でしかないんだけど。それでも、夏乃のこれまでかというほど語り続ける生徒会役員の勇姿を最近は聞いていない。 凄く寂しそうにお昼にも生徒会室に向かう夏乃の後ろ姿が物語っていたのだ。生徒会で何かがあった事を。だから、どの面下げてここに来たんだと問いただしたいのが俺の今の心境だ。

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