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第6話
「一青の具合はどうなんだ。」
「寝不足と軽い栄養失調だそうです。最近、夏乃、凄くきつそうだったんです。友達の俺が夏乃を支えないといけないですよね。」
「寝不足と栄養失調…か。」
どうやら何となくは察していたらしい。それほど驚く事もなくただ先輩達は眉を寄せていた。
「あの、先輩。夏乃を無理させるのはやめて下さい。夏乃、多分もうすぐで溜まっているものを爆発させてしまうかもしれません。そうなったら、夏乃も先輩達も痛い思いをすると思うんです。だから、夏乃を支えてあげてください。」
こいつらにお願いなんてしたくない。だけど、夏乃が望んでいるのはこいつらと前みたいに仕事したいって事。
例えこいつらがクソみたいな奴だとしても、俺は頭を下げよう。
不器用な友人の為に。
先輩達は何も言わずにただ夏乃の顔だけを見つめて頷き帰って行った。
「夏乃、頼むから昔に戻るような行動はとるなよ。」
夏乃の頬を抓ると嫌そうにぷいっと背を向けられる。何も言わない生徒会の連中にイラっとした。でも、夏乃の呑気に寝る姿をみて何だか笑えてきて、まぁいいかと思えてくる。
「夏乃がどうなろうと俺は変わらねーし、俺に危害は加わらないしな。」
いや、全くの危害がないかと言われたらそうでもないけど。
一方的に悲しむことになるのは夏乃というより…
生徒会の方だろう
だから、まぁ、いいとしよう。このまま変わるか変わらないかは生徒会次第だ。
そして数日後、俺の目には不機嫌そうな夏乃の姿が映ることになる。
多々side end
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